どうも、パパ魂(Twitter@Daddy_soul11)です。
製図初受験者が真っ先にぶつかる壁と言ったら、やはり作図時間でしょうか。
宿題で1枚の図面をトレースするのに4時間、5時間、またはそれ以上かかったり、こんなに時間がかかるものなのか?と焦ってしまう方もいることでしょう。
- 本試験までに3時間を切れるの?
- 本試験までにどれぐらい速くなれるの?
不安な気持ちがどんどん募ってきますよね。
その気持ち、ものすごく分かります。
でも、それは他の方もみんな同じです。スタートラインは全員同じですね。
しかし、これから1ヶ月間の取り組み次第で周りと大きく差がつきます!
そこで本記事では『作図スピードアップのコツ』について紹介したいと思います。
本記事で伝えたいこと
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- 作図スピードアップのコツ
- パーツトレーニングが一番重要!
- 図面一式の練習は後!
本記事を読んでほしい人
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- 製図初受験生
- 作図に時間がかかる
- もっと作図時間を短縮したい
本記事の信ぴょう性
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- 令和元年「一級建築士試験」製図試験 ストレート合格!
- 8月中旬に作図2時間30分(平均)を達成!
- 作図3時間で「精度の高い図面」を実現!
- 試行錯誤した上で掴んだ「作図スピードアップのコツ」を公開します!
留意事項
本記事の内容は個人の体験に基づいて自分の考えを述べています。
製図初受験生の方の参考になればと思い、記事にまとめていますので製図勉強の参考としてお読み頂ければ幸いです。
目指すべき作図時間
ベストタイムは2時間30分!
作図2時間30分というのは、要求図(4図面)・寸法・室名・法規関連などを全て書き上げる時間です。
課題文で要求される作図内容を全て仕上げるのに最低限必要な時間となります。
補足記入と図面チェックを含めて3時間!
令和元年(2019年)の本試験から「各図面」に補足記入を指定されるようになりました。
今まで補足記入は任意だったのですが、今は全ての図面に補足記入が求められます。
文章構成を考えながら、矢印線を描く時間を考慮すると15分、図面チェックを含めると余裕をもって30分は確保しておきたいところです!
となると、作図2時間30分と合わせて3時間は必要と考えます!
2時間を目指すのは無理がある!
他の資格学校は分かりませんが、総合資格学院は作図2時間を目指すよう、指導すると思います。
今年は分かりませんが、僕が受験生だった時は目標作図時間が2時間でした…。
あのね、まず…
「精度の高い図面」を作図2時間で描くのは(ほぼ)不可能です。
僕の経験ですが、総合資格学院の作図強化講座で作図2時間を切りました。
※「作図強化講座」:8月お盆期間に2日間の集中講座があります(詳しくは コチラ)
最速記録が1時間54分だったと思います。
でも…図面はめちゃくちゃ汚かったです。。。
文字もなぐり書きで室名が全然読めない部分もありました。
室名が読めないと最悪、要求室の欠落と見なされてランクⅣにされる可能性があります。
作図2時間で図面の精度が高くて文字も綺麗であれば、そりゃもう最高ですよ。文句なし!
でも、そういう人って実務もしくは学生時代にバリバリ図面を描いていたような人なんですよね。
製図初受験者がわずか2ヶ月の中、作図2時間を目指すのは難易度が非常に高いです。
もちろん速ければ速い方が良いのですが、「精度の高い図面」を作図2時間で仕上げるのは現実的ではない!というのが僕の考えです。
精度の高い図面とは
「精度の高い図面」=「印象の良い図面」です。
線の濃さ、太さにメリハリがあって室名、補足記入の文字が読みやすく明確かつ丁寧に書(描)かれている図面です。
本試験では、採点官(試験元)へ手書き図面でプレゼンテーションすることになります。
となるとやはり「印象の良い図面」を描くことを心掛けるべきだと思います。
当たり前のことを書いているかもしれませんが、目標作図2時間のように厳しいノルマを課されていると本来の目的を忘れてしまう人が散見されます。
先ほど述べましたように各図面への補足記入と図面チェックを含めて「精度の高い図面」を目指すためにも作図時間は3時間必要なのです。
資格学校の解答例はレベルが高すぎる!
資格学校の解答例は作図密度が凄い!レベルも非常に高いです。
そもそも資格学校の解答例は実務で図面を描いているような人が、丸1日かけてじっくり丁寧に描いているそうです。
つまり2時間台で描けるようなレベルではないことは明らかです。
これをトレースで同じ精度の図面を2時間台で描け!というのは無理があります。
資格学校の解答例をトレースする場合、3時間で「精度の高い図面」を描けるほどのレベルまで達すれば、作図スキル(スピード)があるということでしょう。
自分のエスキスで作図しやすく、シンプルなプランであれば、作図時間も大幅に短縮できます。
作図スピードアップのコツ
作図スピードアップのコツです。
- 道具の置き場所を固定する
- 使うシャープペンを固定する
- テンプレートはバンコで兼用
- 階段・トイレは考えない!迷わない
- なるべく手戻りをしない(減らす)
順に説明しますね。
製図道具の置き場所を固定する
まず、道具の置き場所を試行錯誤しながら決めます。
置き場所を固定したら、作図練習しながら道具の持ち替えを身体に覚えさせましょう。
試験会場によっては机スペースが限られている場合があります。
また、資格学校では2人並んで座ることもあり、道具の置き場所の確保が難しい場合があります。
そこでファイルボックス(収納ボックス)を使いましょう。
僕の場合、右利きなのでいつも製図板の右側に製図道具(ファイルボックス)を置いていました。
百均などで売っているファイルボックスにタワーペンスタンドを置き、上から順に「0.3 mm + 0.7 mm」→「0.5 mm(2B + B)」→「1.3 mm」とそれぞれのシャープペンの収納場所を固定しました。
※各シャープペンの用途については後述します
ファイルボックスを選ぶポイント
・立ち上がりが無いもの
・ペン立ての幅が入るもの
僕のときは百均に良さそうなファイルボックスが無かったので無印良品のファイルボックスを買いました。
ファイルボックスの前面を切り取ってそこにタワーペンスタンドを固定したのですが、面倒なので最初からファイルボックスに立ち上がりが無いものを探すと良いですね。
使うシャープペンを固定する
作図段階ごとに使うシャープペンを固定しましょう。
僕の場合、次のように作図段階ごとに使うシャープペン(芯の太さ・濃さ)を固定していました。
作図段階 | 芯の太さ | 硬度・濃さ |
基準線(下書き) | 0.3 mm | HB |
外形線(柱・外壁・断面図の外形) | 0.7 mm | 2B |
内壁・階段・EV・トイレ・什器・断面・外構 | 0.5 mm | B |
計画要点の記述・室名・補足記入 | 0.5 mm | 2B |
植栽 | 1.3 mm | HB |
1本のシャープペンで太さを調整する方法もありますが、本試験のように極度の緊張状態でそこまで気を配るのは無理ですし、疲れるだけです。
僕の経験上、1本のシャープペンの筆圧を調整しながら、線の太さを調整すると作図時間が遅くなりました。
なので複数のシャープペンで太さを使い分ける方法にしました。
道具の場所(タワーペンスタンド)を決めておけば、あとはマニュアル化するだけです!
早いうちに身体に覚えさせれば、道具の持ち替え時間のロスなんて大したことありませんよ!
ポイント
外形線を表す「柱・外壁・断面図」は 0.7mm(または0.9mm)+ 2Bで太く!濃く!
内側は 0.5mm + B でメリハリを付ける!
テンプレートはバンコで兼用
製図講座でもクラスメイトのほとんど全員がバンコ、またはタカラのテンプレート付き三角定規を使うと思います。
テンプレートと三角定規が兼用されているため、道具の持ち替え時間がかなり省けます。
これだけでも10分近く作図時間の短縮に繋がりますのでまだ持っていない方は試してみることをオススメします。
テンプレート付き三角定規を利用するにあたって気をつけていただきたいことがありますので詳しくはコチラを参照ください。
階段・トイレは考えない!迷わない!
製図初受験者が作図で一番つまづくところが、階段・トイレではないでしょうか。
階段の段数を数えながら描いたり、トイレのレイアウトを考えながら描いたりしていませんか!?
これが一番、作図が遅くなる原因です!
もう一度、言います。
一番遅くなる原因になるのです!
考えない!迷わない!
エスキスプランで階高、トイレ面積が決まったら、あとは作図で勝手に手が動くほどのレベルに達するまで繰り返しパーツトレーニングをしましょう!
なるべく手戻りをしない
初受験生によく見られるのが、細かいところまで丁寧に描き直してしまうことです。
綺麗な図面を描くためには作図ミスが無いように丁寧に描きたくなりますよね。
ミスったら直したくなる!
その気持ちはよく分かります。
ですが、それにこだわっていると、いつまで経っても作図時間は縮まりません。速くなりません!
特に宿題で図面をトレースする場合、小さな作図ミスをしても直さない!
作図ミスをよくやらかす部分は別途、速く・正確に描けるようになるまで繰り返しパーツトレーニングをしましょう!
ただし、上下不一致などの作図ミスは一発ランクⅣになってしまいますのでそこはちゃんと気を付けましょうね!(^_^;)
パーツトレーニングが一番重要!
今の時期はパーツトレーニングがとても重要です!
階段・トイレ・断面図をとにかくひたすら描きましょう!
5mm方眼ノート、シャープペンがあれば、場所問わずどこでも描けます!
通勤の合間にやる!
始業前にやる!
昼休憩にやる!
オキナのプロジェクトペーパーを数枚、クリップボードなどに挟んでおけば、スキマ時間にすぐ取りかかることができます!
階段パターンを覚えよう!
階段(階高)パターン
- 施設利用者・管理用階段
- 4m・4.5m・5m・6m
- 1回転・1.5回転・2回転
- 回り階段
回り階段が描けるとエスキスプランが増えますので絶対、早いうちに習得しておくことをオススメします!
トイレのレイアウトを覚えよう!
トイレの(レイアウト)パターン
- 施設利用者用(+車椅子利用者)
- 職員用
対象 | 開口(幅) | 奥行き |
施設利用者用 | 4m・5m・6m・7m | 3m・4m・5m・6m・7m |
職員用 | 1m・2m〜 | 2m〜 |
トイレのレイアウトは迷わない!
勝手に手が動いて描けるようになるまでひたすらパーツトレーニングをすること!
クラスメイトの図面で参考になるレイアウトがあれば、参考にする(パクる)!
図面一式は後!
平面図3枚、断面図1枚、図面一式を描く練習は今はやる必要ありません。
最初は1つ1つのパーツを描くだけでも作図時間がとてもかかります。
図面一式をトレースしても、最初の作図内容なんてあまり覚えていないと思います。
- 線の表現方法
- 線の意味
- 柱のサイズ
- 法規の表現方法
1つ1つの意味を考えながら作図練習をしないと上達しません!
今は、いち早く階段・トイレ・断面図を速く描けるようになることを優先に取り組むべきです!
階段・トイレ・断面図が速く描けるようになれば、作図時間が劇的に短くなります!!
宿題も大事ですが、限られた製図勉強の中で優先順位があることを心掛けてほしいと思います。
宿題(トレース)はどうすればいい?
厳しい講師だと学校の指定枚数+αで宿題が追加されますよね・・・
クラス(講師)によっては、宿題未提出者は講義が終わった後、居残りでやらされると思います。
結局、宿題を全部提出しなければいけないのであれば…
なりふり構わず、ダーッとさっさと描いて片付ける!!
図面精度なんて最初の1枚だけ綺麗に描けば良いんですよ。
残り枚数(ノルマ)は汚くてもいいので適当にささっと描いて片付けましょう!
宿題をさっさと片付けて自己学習としてパーツトレーニング、記述の練習に集中する!
繰り返しになりますが、限られた製図勉強の中で優先順位があることを忘れないでください。
おわりに|「反復」が大事!
製図初受験生(短期コース)はこれから2ヶ月ちょっとの間で製図課題の内容に沿った学習、エスキス、記述の練習、とやることがたくさんあります。
学科試験の勉強と同じく設計製図試験の勉強でも「反復」がとても重要です。
1週間サボっただけで一気に作図スピードが落ちます。
パーツトレーニングに注ぎ込んだ時間が多ければ多いほど、作図スピードが速くなるものです!
製図初受験者にとって大変な毎日が続きますが、まず作図スピードが速くならないといつまでも苦しみます!
宿題も大事ですが、「パーツトレーニング」が一番、大事なのでそこだけは忘れないでください。
応援しています!